2013-01-01から1年間の記事一覧
「リツくん!」 「ぼくはおんなのこだ!」 「えー」 わたしの名前は歌愛ユキ。おひめさまなの。今日はリュウトくんがお休み。少しつまんない。 「リツくんにはこんやくしゃっているの?」 「は?」 「ユキはね、キヨテル先生なの。でもリュウトくんが好き」 …
私はもうすぐ大学生になるというのに、希望する学科が見つからない。あの子が私をかばって事故で亡くなるまでずっとついていったのが悪かったんだろう。頭痛がする。 「ルカさん、書けましたか?」 「あ、まだです・・・すみません」 「パンフレットを読んで…
無事、マユの件も落ち着き学園祭準備が始まった。私はクラスでやりたいことがあった。 「名付けて!女装メイド喫茶よ!」 「せ、先生!それって先生が考えることじゃあ・・・」 「はい、決定!ミクさん、家庭科好きならお洋服よろしくね」 「ええっ!?」 「…
『先日の夕暮れ時の市内にあるとある中学校で殺人未遂事件が起きた。なお、校長の意向で詳細については伏せるものとする。被害者と加害者は1人の女性(15)をめぐって口喧嘩を始め、その女性と友達(15)が遠くから見ている中、口喧嘩は加速した。加害…
僕は朝からアイスを食べながらのんびりしていた。今日は始業式。職員室では他の先生が忙しそうにしている。 「カイト!転入生よ!」 「・・・めーちゃん、何?」 「初めまして!マユです」 「2-Aにこの子入るらしいからよろしく」 「え、ソニカ先生は?」…
吹奏楽部、県大会にも行けず。それは私にとってとてもショックだった。 幼い頃から多忙な両親に褒めてもらうべく磨き上げた私の音感が崩れるような音さえした。 「先生、大丈夫ですか?」 「あ、ああ・・・。大丈夫よ」 吹奏楽部の部員も泣いている。この弱…
「グミさーん、めーちゃんが呼んでるよ」 「バカイト、その呼び方はやめて」 高等部の先生に呼び出しされるなんて思ってもみなかった。私は何事かと急いで行った。 「あなた、不正でBに上がったんでしょう?ルカたちから聞いたの。別に怒りはしないけど、こ…
「今月のランクUP者は・・・グミさんです!」 わけのわからない先輩になだめられてあたしは少し大人しくすることにした。先公にも伝わったらしく、その数週間後である昨日には復活した。 でも、今のは聞き捨てならない。月末に必ずある学力テスト。音楽の…
翌日。眠気を抑えつつ学校に向かう。足取りは軽い。 いきなり2人も友達ができた。でも2人は寮生だとかで私と一緒に登校できない。 「ふう・・・。あ、1番か」 早く来すぎたみたい。なのでカバンから分厚い学園専用・音楽の教科書を取り出して開く。凄い。…
私は学力の問題で担任からこの璃々杏学園という不思議な学園を紹介された。音楽に力を入れている学園だから音楽の成績が優秀なお前なら合格するだろう、と言われた。ふん、どうせ私は音楽以外はダメダメですよーだ! でも問題はここに入学してきた高校生のほ…
「たーちん、私ってもう終わったよね・・・」「ううん。そんなことないって!気にする必要ないよ?しかも噂、だし」 放課後、私の家。 私は正道凉。通称・すーちゃん。いわゆるモテ期に今いて、毎日が薔薇色。何度告られたのやら。 しかし、昨日事件が起きた…
「ふう・・・。何とか間に合いそう。少しでも遅れたら荻さんに怒られちゃうわ」 マネージャーがぶつぶつひとりごとを言う。 私はマネージャーと共に電車に乗っていた。マネージャーは車の免許を持っていないからいつも事務所に頼んで電車を貸しきる。 「少し…