神崎美柚のブログ

まあ、日々のことを書きます。

VOCAOID学園 第23話「疑惑の文化祭」

「理事長、今年も成功させます!」
「おお、任したぞ」
 私たちは文化祭が始まる前に理事長の部屋へ。理事長は笑顔で迎えてくれた。ミキ先輩の挨拶が終わり部屋を出た。
「ピコくん、緊張したよ~」
「ミキちゃん、大丈夫だよ。いつも可愛いから」
「んもう、ピコくんってば」
「・・・」
 廊下をすれちがう人の目が、痛い。やめてください先輩。
 オープニングを成功させると、理事長が走ってきてミキ先輩の頬をいきなりたたいた。
「キャッ」
「ミキちゃん!理事長、何ですかいきなり」
「君らのほうこそ何してくれるんだ!」
「はい?」
「私の大事な宝石が盗まれたんだ!君らが最後だろう!?君らが犯人だ!じきに警察も・・・」
 するとピコ先輩がムカついたのか、理事長に対して叫ぶ。
「僕の彼女をいきなりたたくのはヒドいです!たたくなら僕にしてくださいよ!!」
「それに私たちは犯人じゃないですよ!ほら」
 2人が荷物を全て出すので、私たちも従う。(先輩たちは見事な連帯感)
「マユさんの斧は・・・」
「あ、これいつも持ってるので心配なさらず」
「リリィさんのカッターは・・・」
「これもいつも持ってるんです」
 だいたいのメンバーがハンカチやティッシュ、文化祭のパンフレットしか持っておらず無実が証明された。
「それじゃ犯人をさがしたまえ。ミキさん、いきなり叩いてすまなかった」
「いえいえ」
「ただし、見つけられなかったらミキさんとピコさんを破局させる」
「やめてえええええええ!」
 体育館にミキ先輩とピコ先輩の声が響いた。

 とりあえず邪魔にならないよう旧校舎に移動する。午前中に事を済ませ、午後には文化祭を楽しみたい。
 騒ぎを聞きつけリンちゃんたちも合流した。説明をすると
「それはあんまりですね」
とリンちゃんたちは怒った。
「犯人、ねえ。生徒で宝石のこと知ってる人は?」
「校内新聞制作者、愛読者、先生」
「ナオくん、よく知ってるね」
「僕も宝石のことは校内新聞で見たから知ってるよ」
「協力者を呼んできたわよ」
「俺たちも協力するぜ」
 ルコさん、テトさん、テイさん、がくぽ先輩、CULさんの5人が加わった。強力かな?
「宝石泥棒は多分、旧校舎にいるはずだ。なにせ大概の親たちは宝石について知っているらしいからな」
「ああ、なるほど。さすがルコね」
「・・・いえ」
「旧校舎、手分けして捜そうか」
 ルコさんをリーダーとした中等部グループA(レンくん、マユちゃん、リリィちゃん、ダンくん、メルちゃん)は1階、テトさんをリーダーとした中等部グループB(リンちゃん、ラピスちゃん、グミちゃん、いろはちゃん)は2階、テイさんをリーダーとした高等部グループA(私、ハク、ネル、鳥音、杏音)は3階、そしてがくぽ先輩をリーダーとした高等部グループB(ミキ先輩、ピコ先輩、ナオくん、ルカ先輩)はCULさんと一緒に本校舎の職員室へ向かい、メイコ先生たちと合流することになった。
「うーん、しかしボロボロだね」
「仕方ないよ。かなり昔なんだから」
 所々床が抜け落ちてたりして歩きにくい。杏音なんかしょっちゅう落ちかけている。
「いないねー」
「まさか、と思うけど・・・」
「どうしたの?杏音」
「ええとね、ここ住宅街にあるからカラスとかいそうだなって・・・」
「あっ・・・」
 そういえばなぜか窓が開いていた。しかし、宝石はなおしていたはずじゃ・・・。
「文化祭だから理事長も浮かれてた、とか・・・?」
「あーあるある。理事長で見えなかったけど、私たち」