神崎美柚のブログ

まあ、日々のことを書きます。

VOCALOID学園 第20話 ハッピー☆サマーバケーション~そうだ、海に行こう!~

「うへえ、私だけぇ?」
「ミク、頑張って」
「うぅ・・・」
 この学園は勉強熱心ではないため、特に成績の悪い者のみ夏休みに補習があるのだ。ちなみに始業式は9月になってから。
 私はなんとか補習に通う。(夏休み中はネルたちの部屋に泊まらせてもらっている)
 昇降口から冷房が程よくきいた校内に入る。すると、見覚えのあるバカップルを見つけた。
「ピコくん、このあと海に行こうよ」
「いいね、ミキちゃん。水着はビキニ?」
「きゃっ、もう恥ずかしいっ」
「えへへ」
「・・・」
 なぜここに、と思いつつ近づく。
「あの、なぜ2人が?」
「生徒会の打ち合わせだよ。文化委員会委員長ととりあえず仲直りしたいなあって」
「え?」
「去年の打ち上げで予算が削れたのに怒ってたんだよ。ね、ミキちゃん」
「うん」
「あー、なるほど」
 私は代々察した。酒好きな先生も打ち上げに参加したと私は噂に聞いていた。つまり、ほとんど酒代である。
「でもそれなら委員長の家に行けばいいのでは?」
「委員長に連絡したら学校で会おうって返事されたんだから仕方ないじゃん」
「そ、そうなんですか」
「僕らはもう用件すんだから海に行こうよ、ミキちゃん」
「そうだね、ピコくん」
 先輩と別れ私は補習へと向かう。メイコ先生とのマンツーマン。
「B組で補習だなんて本当びっくりよ、ミク」
「メイコ先生以外は・・・」
「全員Cにいるわよ。ほら、さっさととく」
「はぁい」
 補習が終わったのは12時前。今日はずいぶんと早い。
「私も用事があるのよ」
「えっ」
「あらメール・・・んもうっせっかちねえ」
 ダメだこりゃ。先生もリア充の顔をしている。
「で、ではまた」
「ん」
 教室から出るとネルたちが待っていた。
「海、行こうよ!」
 私は即答したけど、スク水しか持っていない。その事実にネルたちはびっくりする。
「今時スク水オンリーなの!?」
「いや、今時って言われても」
「じゃあついでに買ってから行こうよ!」
 リンちゃんが元気よく発言する。うっ、買うの?
「面倒だなあって思わないでくださいよ~」
「そうにゃ」
「そうと決まれば行きましょう!」
 町を歩くが、やはり暑い。すると一台のリムジンが私たちの横で停まった。
「ごきげんよう」
「うわっ、マユちゃん」
「皆様もお出かけ?」
「うん、そうだよ」
「まあせいぜい頑張って」
 そのままリムジンは走り去った。
「ずいぶんとお嬢様だね、さっきの子」
「鳥音、知らないの?マユは聖アリス学園から転校してきたんだよ」
「えっ!?お嬢様・・・じゃん・・・」
「とりあえずそこのショッピングモールに入るにゃー」
「うん、そうだね」
 ショッピングモールは夏一色。水着が売っているところはすぐ見つかった。
「思い切ってビキニは!?」
「リンちゃん、やめて」
「ミク先輩にはこっちが似合いそうですねえ」
「ラピスちゃんまで!?」
「じゃあ、みんなで探そうよ」
「さんせーい!」
 全く・・・と思いつつ、私はこれまで授業以外で水着だなんてきたことがないことを思い出す。
「ああ、どうしよう」
 数分後。皆はそれぞれ水着を持ってきた。
「ね、どれがいい?」
「鳥音のがいいかな」
「え、そう?ビキニ嫌そうだったから選んだんだけど」
「うん、それかわいいよ」
 ミントグリーンのワンピース風のヒラヒラした水着。迷わずそれを選び、買った。
 海に着くと、たくさんの人で賑わっていた。
「さあ、着替えるよ!」
 リンちゃんは淡い黄色のビキニ。ひまわりの柄がリンちゃんらしくていい。
 いろはちゃんは猫柄のビキニ。一体どこでみつけたのか少々謎になる。
 ラピスちゃんは水色のビキニ。ビキニだが、下がスカートみたいになっている。
 グミちゃんは緑色のビキニ。チェック柄が可愛い!
「ネル、ハク、鳥音はまだ?」
「あ、今着替え終わったよ」
 ネルは黄色のビキニ。谷間のところにあるリボンが可愛い。
 鳥音はピンクのハート柄の水着。ちなみに杏音も同じのを持っているらしい。(ワンサイズ上)
 ハクはというと。
「・・・うわお」
 髪色と同じ色。それに紫の水玉。
「何より胸でかい!」