神崎美柚のブログ

まあ、日々のことを書きます。

メイコの青春ライフ 第一話「幼馴染み」

※VOCALOID学園のメイコ、カイト、テト、がくぽの中学生時代のお話。ちなみにこの当時、入学前にテストはなく普通の学校と同じわけかたをしていた。

 今日は璃々杏学園中学部入学式。担任は誰かな。
「担任のミリアです。ええと、今年教師になったばかりだけど突然担任になれて嬉しいです」
「よろしくお願いしまーす!」
 ミリア先生は高校の教師の免許もとるため今頑張っている、と笑顔で言った。素敵な先生だなあ。
 テトたちともまた一緒。テトはだるそう。
「ねえめーちゃん」
「ん?どうしたの?」
「教科書あげるお」
「え?」
 するとがくぽがぬっと現れた。
「テト殿、勉強をなげたしてはいけぬでこざーる!」
 パーン!といい音が響く。慌てて目をつぶり、またひらくとテトがのびていた。またやられたのね。
「こらこら。剣道は放課後しなさい」
「はーい」
 ちらっと男の先生が顔を出して言った。誰?
「レオン先生だよ。数学担当の」
「カイト!入学式から遅刻?」
「あ、ごめーん」
 のんびりとアイス片手にカイトが現れる。遅刻魔で、寝癖がひどい。いつもテトがその寝癖を直している。
「君は実にバカだなあ」
「テト殿、人のことは言えないでごさるよ」
「む」
 テトはちょっとバカで、よくがくぽと言い合いになる。子供みたい。
「うわあ、またハズレだあ」
「本当に運悪いね、カイトって」
「めーちゃん・・・それ言わないでよ」
 幼馴染みとして過ごせて私は幸せ。

4/12 晴れ
 今日は入学式でした。カイト、テト、がくぽとクラスは一緒。相変わらずカイトは遅刻してくるし、テトはテトでがくぽに剣道の竹刀でやられるし。本当に呆れた毎日です。

 翌日。1時間目が始まるチャイムが鳴ってもミリア先生はこない。理科なのに。
「めーちゃん、行こう!」
「え、あ、うん」
 職員室へと走っていった。
 こういうときに声をかけるのはいつもがくぽの役目。私には到底無理。
「1年A組の神威がくぽです。失礼します」
「どうしたんだい?」
「ミリア先生を捜しているんです」
「え?さっき出ていったけど」
「分かりました。失礼しました」
 がくぽが静かに首をふる。どうしよう・・・!

 バン!と勢いよく戸が閉まった。私は叫ぼうとししたけど、無駄ということを悟った。
「今の時間体育もしてないし寮には数人しかいない。叫ぶなよ」
「レオン先生!私は授業があるんですよ!?離してください!!」
「何でだ」
「っ!」
 いやらしい目で見てくると思ったら・・・。私は悔しいながらも、誰かがくることを祈った。

「え?レオン先生も?」
「うん。私のクラス数学なのに・・・」
 アンさんがしょんぼりする。私は面識があまりないため話せない。
「捜索を頼む?」
「あ!そういえばね」
 カイトが突然喋り出したのでテトが睨む。カイトは気にせず続ける。
「僕が遅刻しそうになったとき、ミリア先生が『早くしなさいね』って運動場で言ってたよ」
「え?」
「どうしてここに?って聞いたら『待ち合わせしているの』って」
「・・・」
 つまり先生は・・・。
 旧校舎を私とカイト、体育館をがくぽ、テト、アンさんが調べることになった。
「先生ー?いませんかー」
「メイコさん!?私は」
「ちっ」
 レオン先生?らしき人が逃げた。私は、怖くて声をかけられなかった。
「助けてくれてありがとうね」
 先生は優しく微笑んだ。
 授業は再開されたが、校長先生から説教をくらった。

4/13 曇りのち晴れ
 今日はミリア先生を助けました。まさかレオン先生に好かれていたなんて。淡い恋だな、って私も憧れちゃった。校長先生の説教のとき、横にごっつい顔の教頭もいたのにテトったら寝ちゃって。テトだけ反省文提出というペナルティもらっちゃった。明日も楽しみ。