神崎美柚のブログ

まあ、日々のことを書きます。

魔法学院探偵部 第3話「図書館に潜む謎・調査編」

 私は今日、先輩と一緒に図書室館に来ていた。ちなみに私は梅田さんたちの協力の元、全快した。
 しかし何を調べるんだろう?
「先輩ー!何を調べるんですか?」
「少し黙れ」
 ここの図書館は広い。ヘタしたら迷子になる。
 目の前にゴスロリの服を着たお人形さんみたいな小さい女の子がいた。誰?
「どうしたの?迷子?」
 彼女は静かに首をふる。
「うーんそうか・・・」
「おい楓何しようと?」
「え、いや、その」
 私が女の子を指さす。と思ったらもういなかった。
「最近よくあるんや。ゴスロリ着た幼女が突然現れて突然消えるというのが」
「不思議ですねえ。なーんか見たことあるんですけど」
「そういや楓はなんでここに来たん?」
「え?お姉ちゃんに連れてこられたんです。お母さんもお父さんも旅行先で死んじゃったらしいから。私、3歳の時からここにいるんですよ」
「もしかしたら楓のお母さんかもしれんやろ?」
「え?あんな人形っぽい子が?ありえませんよ~」
「ねえ」
「う、うわあああ!」
 話しかけられ、私は本の山(先輩作)に倒れこむ。
「痛い・・・」
「気を付けろ、バカエデ」
 先程見た少女だ。相変わらず人形っぽい。こんどはかわいらしいウサギの人形を持っている。
「私知ってるよ?あなたの両親の居場所」
「えっ?」
 先輩もきょとんとしている。
「フフフ」
「楓!」
 私はあっという間に意識がなくなった。

「ここはあなたの子供のころの記憶。とは言えあなたはほとんど覚えていないでしょうけど」
 辺りはどこかわからない。でも海が見える。
「ごめんね」
 お母さんらしき人が小さいころの姉に謝っている。
「私たちは死んだということにしてくれる?」
「うん」
 どうして?と手を伸ばそうとすると人形みたいな少女に力強く腕を握られた。

「やっぱりこうなったの?」
「ああ」
 知らない女性と話しこむ先輩がいる。私は起き上がる。
「おお、楓。小さいころについて知れたん?」
「いえ。よくわかりませんでした。って、私がどういう夢見てたか知ってるんですか!?」
「落ち着いて。楓ちゃん。あ、私は江田恵美子。中等魔術科2年生」
 少しのんびりした口調。
「はあ、そうなんですか」
「私ね、ここの図書館について調べているの。そしたら過去に囚われている者や過去がおぼろげな人があのゴスロリ幼女に惑わされて過去の世界に意識だけ飛ばされるらしいとわかったの」
 話終わるまでが長い。
「そうなんですか?」
「ええ。それで探偵部に入りたくて」
「構いませんよ!ねえ、先輩」
「よかと?」
「ええ」
 私は過去を姉の一言で表すことができる。「両親が亡くなって孤児になり学院にきた」と。
「練磨家には関わり深いんだよね、あの幼女」
「え?」
「とりあえず練磨家の歴史について調べようか」
 先輩を見事にパシり、待っている間恵美子さんは笑顔で歴史を話出した。歴史大好きなのかな?
「練磨家はここの学院長を代々つとめているハックスフォード家と仲良しらしいのよねー。でも練磨家は最近姿を消した。同時に今の学院長の父親も消えたわ」
「そうなんですか?あの、さっきの幼女のことを信じるなら『私たちは死んだということにしておいてくれない?』って母が言ったのは真実なんですよね・・・」
「あの幼女、ハックスフォード家の子じゃなかったかしら?」
「さあ?」
 先輩が重そうな本を持ってくる。
「ったく、後輩のくせに・・・」
「まあまあ。ええと・・・」
 黒ぶちメガネをかけ真剣に読み出した恵美子さん。すごい・・・!
「あったよ!あの幼女、『現世と関わってはならない』という存在でハックスフォード家の大火災の際亡くなった娘さんがモデルね」
「ハックスフォード家の大火災?」
「ええ。激しい遺産相続争いの末、4歳だった愛娘・メアリー=ハックスフォワードと共にお金にあまり興味のない当時の当主の三人目の息子・ステード=ハックスフォワードが屋敷に火を放ち自殺した事件の通称名。自殺した時、メアリーはあの幼女が着ている服だったと伝えられているの」
「詳しいな」
「ちなみに、流石にかわいそうとメアリーを救出しようとしたのが、楓ちゃんのそう祖父・練磨鼓次郎」
「え!?そうなんですか・・・」
「でも彼は炎の海にて死んでしまったの。メアリーのそばで」
「それでそれで?どうして今・・・」
「歴史を伝えようとしていると思うんだけど」
「とりあえず椿さんにも事情を聞くべきやろ」
「今なら寮にいると思うけど」
 私たちがとりあえず立ち去ろうとしたとき、誰かが笑った気がした。

「私と楓の過去?教えたいんだけど・・・」
「とにかく教えて~」
「・・・わかったわかった。何かね、そう祖父の遺言が見つかったらしくて、『ハックスフォード家とくれぐれも仲良くするな、危険だ』とかなんとか。もちろん両親は激怒。ハックスフォード家はなだめるかのように別れのパーティを開いてくれた。でもそれが過ちだった。現在の当主は私より6つ上だったんだけど、当時の当主を毒殺し私や楓の両親まで毒殺する気で・・・。逃亡を始めた両親についていくことは私たち許されないの。それでおいていかれて。それに太田川さんはあんな性格だけど一応私たちの両親が放った監視役だから。今はいないけど」
「・・・」
 おも苦しい空気を読まず、江田さんはまた質問をする。
「ところで理事長もとい現在の当主は?」
「気づいてないふり。太田川さんが抑えているから安心」
「そうですかあ」
 すると笑い声が聞こえた。耳が、痛い。
「先輩?」
「楓、俺が行ってくる」
 先輩っ!?と手を伸ばしかけたその時、私の頭に銃がつきつけられた。
「無駄よ」
「え!?あなたはっ・・・」
「この愚か者」
「待って!メアリー・・・」
 彼女は銃を姉に向けた。
「私はメアリーでもないわ。私は現在の当主の妹」
「え?」
「こんな魔術も見抜けないの?さっきの男みたいねえ」
 笑い声が私の耳にこだまする。や、やめて・・・!
「楓に何するんや」
「そうよ」
 先輩と江田さんが立っていた。彼女はあっという間に逃げた。
「あいつか。わざわざ変身してまでなあ」
「よく考えたらメアリーが怨念抱くわけないから」
「ありがとうございます」
 でも、謎はまだあった。

 彼女はなぜ図書館にいたのだろう?