神崎美柚のブログ

まあ、日々のことを書きます。

魔法学院探偵部 第2話「連続通り魔事件・解決編」

 博士の研究室に移動し、その優れた(?)パートナーを見せてもらう。
「これが記念すべき001。ペニシリンちゃんって今は呼んでいるわ」
「ふむふむ」
 一応私はメモしていく。
「002、003。そして今はいない004」
 すると奥の部屋から3人出てきた。私の姉、梅田さん、そして太田川さん。
「犯人の太田川さんですね」
「何のことかしら」
 とぼけているが、薬品の臭いがきつい。し、死ぬぅ・・・。
「先生ーお土産ー」
「椿さん、黙って」
 姉は空気を読み、黙る。
「この試験管。研究好きの皆さんなら分かるでしょう」
「それは増強剤?先生、作ってたっけ?」
「そんな危険なもの扱いません」
「それじゃあ・・・」
 太田川さんが笑いだす。うわ、犯人。
「004に増強剤打ち込んだのはこの私よ。両親を殺したこの世界に復讐をしたくてね。元々殺す気はなかったの。でもあのおっさん、私が増強剤打ち込む瞬間を見ちゃったから仕方なくね」
「決して許されないぞ!」
 先輩ステキです・・・。
 私は先輩の後ろに隠れていたが、太田川さんがニヤリと笑って私を見る。
「懐かしい子ね。それじゃあ警察に行ってこよーかな」
「・・・?」
 太田川さんとは初対面のはず。姉が何か隠しているのかな。

 夕方。通り魔事件を解決に導いた先輩が堂々と新聞に載っている。先輩はカメラ大好きでカメラ写りが非常にいい。
「ふう。また解決してしまったな」
「もう、先輩ったら目立ちすぎですよ」
「よかろうもん」
「むっ」
 私は現在女子寮不法侵入とも言える先輩の目の前でアルバムを見ていた。私が物心ついたときからある。
太田川さんらしき人いないなあ」
「少ないなあ」
「仕方ないですよ。姉はともかく、私なんてまだ2歳だったんですからね」
 姉曰く、両親は死んだらしい。しかし私は覚えていない。両親のことを。
「やはりいつかは解決しないといけませんよね?」
「当たり前やろ」
 先輩がいつもどおり笑う。

 私、練磨椿。練磨が名字で椿が名前。今すごい悩んでいる。楓に秘密を打ち明けるかどうかで・・・。
「ううんどうしようかな」
 両親が実は生きている、と知れば楓は会いに行くだろうか?いや、ない。楓は両親の顔すら知らない。
「お母さん、お父さん。もう少ししたら会いに行くから」
 私たち姉妹にある日告げられたのは『魔法学院を卒業するまで会ってはならない』ということ。両親はとある理由で私たち姉妹を見放した。それすら許されないけど、私としては仕方ないと感じている。
 無事でいてね。お父さん、お母さん。